年上王子様とのアリエナイ××②
「ゆ、ずちゃん?」
それは志保さんも同じみたいで
驚いた顔であたしを見る。
どうして志保さんがここに...
「あぁ、紹介するよ。彼女は俺の婚約者の高澤志保さんだ」
志保さんが..翔さんの婚約者?
嘘、だよね?
「嘘、でしょ?」
視線をゆっくりと翔さんに移すと
「こんなとこで嘘付いてどうなるわけ?」
笑みを零すと志保さんの肩を優しく抱く。
頭が真っ白になって行く中で
「あ。もしかしてその人?柚子ちゃんの好きな人って」
唯一明るい志保さんの声が耳に入る。
「そうなのか。それは失礼。邪魔したな。それじゃあ行こうか」
「はい。じゃあ柚子ちゃん。またね」
笑顔で手を振って中に入る二人。
違うんだよ?
あたしの好きな人は翔さんなんだよ?