年上王子様とのアリエナイ××②
「君が離婚してくれて助かったよ」
笑顔であたしに話しかけてくる。
その笑顔も今は傷付けるには十分だ。
「そうだ、君に渡しておこうと思ったんだ」
おじいさまは近づきポケットから何かを取り出した。
「これは?」
「お礼、とでもいっておこうか?」
お礼
そう言って渡されたのは分厚い茶色の封筒。
中身は・・
「お金・・ですか」
「あぁ、君には本当に色々迷惑かけたからね」
何で?
みんなどうしてそんなことばかり言うの?
胸が痛くて
再び涙が溢れて来て
「失礼します」
封筒を返して走り去った。