年上王子様とのアリエナイ××②
「柚子ちゃんも頑張ってね」
「へ?」
「この前一緒にいた人でしょ?柚子ちゃんの好きな人って」
志保さんは何も知らないの?
あたしが翔さんと結婚していた事も。
何も..
「志保さん、榊さんからあたしのこと何か聞いて..」
「ううん、ただの知り合いってしか聞いてないの」
何故か視線を逸らして話す志保さん。
ここでもしあたしが翔さんと結婚していた事を言ったら
少しは傷付く?
少しは分かってくれる?
...なんて。
あたしにはそんな事言う資格も度胸もない。
「そう、なんだ、おめでとう」
「柚子ちゃん、あたし柚子ちゃんの分まで幸せになるから」