年上王子様とのアリエナイ××②

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「翔様、大丈夫ですか?」



会見に出る前、榊が不安そうな顔で見てきたので笑顔で答えたのを思い出した。

会見はもう終盤にさしかかっている。



まもなく記者の質問に入る。

答案用紙に目を通しながらも司会者のはなしも流して聞く。

正直社長がここまで大変なものとは思ってなかった。

体力的にも、精神的にも。

背負うものが多いっていうのは何でこうくろうするかな。

ま、自分で決めたわけだけど。



「それでは質問のある方は挙手でお願いいたします」

いよいよか。

答案を見てると色々やっかいなものも多かった。

でもすべてをオープンにしなければいけない。

会社を経営しているのは俺だけではないからな。

「それではお答えします」

席を立とうとしたそのときだった。


あれ?


意識が次第に遠のく。


「社長!!」

柚子、

これは罰か?

君の手をふりほどこうとした

罰なのか?


疑問に答える前に

俺は意識を失った。



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