年上王子様とのアリエナイ××②


なにそれ、まるで電話が来るのがわかってたみたいな言い方。



あーあ、あたしバカみたい。

翔さんが欲しい、なんて・・


思い出すだけでも恥ずかしい!


ブンブン振って立ち上がり部屋を出ようとすると

ぐいっといきなり腕を引っ張られてベッドに再びつれて行かれる。



“逃げるの?”



相手に聞こえてるのか聞こえてないのかわからないくらい
小さな声であたしの耳元で囁く。


そんなこと言ったって・・

「だって」

そこまで口にすると翔さんがあたしの手をふさいだ。



「当たり前だろ?あれだけメールや電話しといて。よく言うよ」


一体どういうつもりなんだろう?

翔さんは普段通りに電話の相手と話をしている。


だったら..

と翔さんからぬけだそうとするも
力が込められていて抜け出すことも出来ない。


「だから何度言われても答えは同じだよ。俺は戻るつもりはない」


戻るって・・前の会社?

っていうことは・・電話の相手は榊さん?


「あぁ、わかってる、いつかはまた行くつもりだよ」


電話の内容はいまいちつかめないけれど

いつかは行くってそれって翔さんのおじいさまのことかな?

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