年上王子様とのアリエナイ××②

あたしの声におじい様が

「そ、そうだぞ!!私は確かに危篤だと」

「あーそれは..」

答えに渋る翔さんに


「翔様はただの過労ですよ」

笑顔で答えた。


つまり..


「申し訳ありません、会長。少しばかり演技をさせていただきました」

深々とお辞儀をする榊さんに

おじい様がへなへなと地面に座り込む。


「そんな私はてっきり..」

「じいさん、約束は守って貰いますよ?」

「は?」


「だって今言ったでしょう?どんなことでも許すから生きてくれ、と」

あ、もしかして..

だんだん読めてきたよ、この二人のやったこと。


一気に涙が引っ込んで

笑顔になる。


「俺の願いはただ一つ。柚子と..この子と一緒に人生を歩かせて下さい」


「翔、さん」


「ごめん。やっぱり俺、君のいない人生なんて考えられないんだ」


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