年上王子様とのアリエナイ××②

「どうかした?」

「へ?」


..まさか何かバレちゃった?


あたふたするあたしに

「いや、いつもなら玄関まで迎えに来るからさ」

「あ、ううん、ちょ、ちょっとね」


まさかあなたの為にチョコレートを作ってました、なんて言えないし。


「具合悪い?」

更に近付いてあたしのおでこに手を置く。


近くで見るとよく分かる、整った顔立ち。

長くて綺麗な指はひんやりとして冷たい。

って!!見とれてる場合じゃないってば、あたし!!


「翔さん、今日帰り早いね」

今更この質問もどうかと思うけど、なんせ今はパニック状態なんだもん。

「あ、あぁ、先方との約束がキャンセルになったから帰って来たんだ」

「そ、そうなんだ」

「あまり嬉しくない?」

「え?そ、そんな事」

「君は嘘を付くのが下手だな」

< 233 / 239 >

この作品をシェア

pagetop