年上王子様とのアリエナイ××②
「どうかした?」
「へ?」
..まさか何かバレちゃった?
あたふたするあたしに
「いや、いつもなら玄関まで迎えに来るからさ」
「あ、ううん、ちょ、ちょっとね」
まさかあなたの為にチョコレートを作ってました、なんて言えないし。
「具合悪い?」
更に近付いてあたしのおでこに手を置く。
近くで見るとよく分かる、整った顔立ち。
長くて綺麗な指はひんやりとして冷たい。
って!!見とれてる場合じゃないってば、あたし!!
「翔さん、今日帰り早いね」
今更この質問もどうかと思うけど、なんせ今はパニック状態なんだもん。
「あ、あぁ、先方との約束がキャンセルになったから帰って来たんだ」
「そ、そうなんだ」
「あまり嬉しくない?」
「え?そ、そんな事」
「君は嘘を付くのが下手だな」