年上王子様とのアリエナイ××②
リビングに通してソファに座る榊さんと
その向かいのいすに座って話をきく翔さん。
テーブルの上にお茶を出して退室しようとしたあたしに
翔さんは待ったの声をかけた
「どこに行くの?」
「えーっと・・じゃまかなって想って」
正直に答えるあたしに
「隣にいて一緒に話を聞いて欲しい」
翔さんは立ち上がってあたしの手をつかむ。
「でもお仕事の話なんじゃ・・」
「そうだよ。だから柚子にも聞いて欲しい。俺たち夫婦なんだから」
よく夫婦の間でもお仕事の話をしないとか、
転職や仕事を勝手にしたり辞めたりっていう話は聞くけれど。
翔さんはいつもあたしに話をしてくれて
あたしの話も聞いて
必ずそれから決断をする。
あたしは別に翔さんの決定に従うし、
報告だけでもいいって想うけど、
でもそういうところが奥さんとして、
認めてもらってるんだって思えて嬉しくなる。
「いいよな、榊」
「もちろんでございます」
榊さんの笑顔に甘えてあたしも翔さんの横に座った。
「で、どういう訳?」
足を組んで話を聞く翔さんはもうお仕事モードに入っている。
榊さんもすぐに真剣な顔つきに代わって話しを始めた。
「参ったな・・」