年上王子様とのアリエナイ××②
あの人..それは多分
翔さんのおじい様の事だ。
翔さんがお仕事を辞めてからおじい様が
再び現場復帰されたっていう話を聞いたけれど
でもそれが今はうまくいっていないみたい。
というのも取締役の方々がおじい様を社長とも思わず好き勝手に
してるらしい。
「はい。あいつにはいっさい知らせるなと」
「だろうね~あの人の事だ」
「ですが..」
「なに?」
「会社側の人間としてはやはり翔様にお任せしたいという気持ちは残っていると
思います。私もお二人には仲直りしていただきたいですし」
「仲直り、ねぇ・・」
腕を組んで再び考える翔さん。
あたしも榊さんもその様子をただじっと見つめている。
時計の秒針だけが鳴り響くリビングに
翔さんの声が聞こえたのは針が一回りした時だった。
「柚子は?君はどう思う?」