年上王子様とのアリエナイ××②
視線をあたしに移して質問してくる。
「あ、あたし・・は」
素直な気持ちを言ってしまってもいいんだろうか。
それで翔さんがイヤな思いをしないかな。
「君の素直な気持ちが聞きたい」
あたしの気持ちを読んでいるのかいつもあたしの欲しい言葉をくれる翔さん。
「あたしは・・」
もし..
もし叶うとしたら
あたしは...
「おじい様を助けに行くべきだと思います」
素直に
正直に
これがあたしの今のきもちだ。
「君まで・・か」
「翔さんの裏切られた気持ちは分かるけど。でもそれでもあたしは仲直りして欲しい。だって二人は・・あたしたちは家族なんだもん。家族なら助け合うのが普通でしょ?
それに..あたしとおじい様の絆は固いものだと思います。こんな事で、簡単に
壊れて欲しくない!!」
「家族..ねぇ」
呟くように言うと
くすっと笑い出す翔さんに榊さんまでつられて笑い出す。
なに?あたしそんなおもしろいこと言った?
「翔様の奥様の方が一枚も二枚も上手ですね」
笑いながら言う榊さんに
翔さんは困ったようにあたしを見つめて静かに頷いた。