年上王子様とのアリエナイ××②
「来秋から..行くんですね」
「そうだね」
榊さんの帰ったリビングに静けさが残る。
分かってるよ。
翔さんに行けと言ったのはあたしだもん。
だから後悔してるわけじゃない。
だけど..
「寂しい?」
ソファから立ち上がってお茶碗を片付けるあたしに近付いてくる。
イジワル..
この人は本当にイジワルだ。
だからあたしも
「さ、寂しくなんかないです!」
つい意地を張ってしまう。