年上王子様とのアリエナイ××②
あたしも空いている席に座ってノートと教科書を開く。
確か今日はここから宿題だったな・・
家で勉強するよりも図書館でした方が落ち着く。
あの場所にいるといつまでも翔さんのことが頭から離れないから。
英語のテキストを開いて勉強を始めてどれくらい経ったかな、
ふと席の前にころころと物体が転がってきた。
不思議に思ってその先を見ると
一本のシャーペンがあたしのノートの隅にぶつかって止まっていた。
あれ?これ誰のだろう?
首を傾げてそのシャーペンを拾って眺めてみる。
黒い、今時珍しい角ばっていないシャーペン。
どこからかの景品でしかみることはなくなってしまったけど。
でもまだあるんだってことになぜか嬉しくなる。
「まだあったんだぁ」
ぽつりと呟くと
「そのシャーペンがどうかした?」