年上王子様とのアリエナイ××②


なんでそんなことを質問してしまったんだろうって思うけど。

後悔したときにはもう口に出してしまっていた。

その人は一瞬不思議そうな顔をしたけれど


「そうだよ」

意外と普通に答えてくれた。


「なんで?」

「だって今そういうシャーペンあまり見ないから」

「確かに。これ八百屋のおじさんがくれたんだ。いつも俺が買ってるからって」

「そうなんですか?八百屋って・・もしかして・・板垣さんところの?」

「そう!ご名答。君ももしかしてよく行くの?」

「はい!板垣さんとこのお野菜はいつも新鮮で安いし」

「うまいよな!!」

「はい!!」

盛り上がって話をしているあたしたちに周りにいた人たちがじろじろとみている。

そっか、ここは図書館だった・・

うつむくあたしにその人が


「じゃあこれ、やるよ」



シャーペンを差し出した。


「え?なんで?」

「出会えた記念」

クスっと笑うとその人はものすごいスピードでてきぱきと片づけると


「じゃあ」

そう言って図書館の出口に向かって歩きだした。

「あの」

ガタンと席を立って追いかけようとするも

「静かにね!!」

図書館の人に怒られてしまってその後を追うことは出来なかった。




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