年上王子様とのアリエナイ××②
「どうしよう..」
もらったシャーペンを眺めながら考える。
あたしにくれるって言ったけど、でもなんだか申し訳ないな・・
大体、板垣さんのところだったら、あたしももらえるかもしれないし、
初対面の人からもらうのもなんだか厚かましいな・・
別にそんなつもりで言ったわけじゃないのに。
少しだけ余計なことを言うようになったのは
結婚したからかな?
なんて意味の分からない事を考えながら歩いていると
「いらっしゃい!!」
聞き覚えのある元気な声が聞こえた。
「あ、おじさん!」
声の方を向くと、あたしがずっと考えていた八百屋のおじさん、
板垣さんがにこにこ笑顔で
「よ、柚子ちゃん!」
あたしの名前を呼ぶ。
「こんにちは~」
「今日もいいの入ってるよ!!」
「はいじゃあいただきます~!」