年上王子様とのアリエナイ××②


「そうみたい」


はいっと出されたお茶を一口すすって答える。


やっぱり翔さんの下請け会社にもそういう話はいくものなんだ。



「営業部長のミスで責任とらなくちゃいけないなんて大変よね」

「でも翔さんならきっと何とか出来るって思ってる」

「翔くん、会社に戻ったの?」

「うん・・」

「そう・・」

そう答えるとお母さんは何か考え込むように下を向いた。

そして

「ねぇ柚子?」

重たい口を開いた。



「こんなこと本当は口にしたくはないし。
あなたがどれだけ翔くんを大事に思ってるか分かるわ。
でもね、もし本当にもしよ?会社がつぶれることになったら・・」

「やだ・・不吉なこといわないでよ」

「そうだけど。でもね。いつでも鈍なときでも順調にいくとは限らないのよ」

分かってるよそんなこと。

「もし倒産・・なんてことになったとしたら柚子はどうするの?」

「あたしはそれでも・・」

「ついていく?前に私たちのようなぼろぼろになっても?」

「それが結婚なんじゃないの?」

「柚子」
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