年上王子様とのアリエナイ××②
ポンっと手を叩いて質問すると
「あぁ、あそこの野菜はうまいって聞いたからな」
「そうなんですね..」
そっかぁ、板垣さんのお野菜は有名だっただんだ。
そうだよね。だって全部美味しいもん、
あ、そういえば..
「あの、シャーペン!」
鞄から急いで取り出して差し出す。
「誰に聞いたんだ?」
不思議そうにあたしを見つめるその人。
「あの、板垣さん本人から・・」
「俺は一度もらったモノを人に返してもらうほど貧乏じゃないし、心も小さくない」
「誰もそこまで言ってな」
「だったら黙って受け取れよ」
受け取れよって。
「そんな事を言われても」
「俺はもう社会人だし、仕事もしてる」
「それは分かりましたけど。ん?じゃあ何で昨日図書館に」
「あぁちょっと調べモノをな」
調べもの、ねぇ。