年上王子様とのアリエナイ××②
「とにかく黙って受け取れ」
そんなことを言われても・・あ、だったら
「じゃあ何かお礼をさせてください!」
そっちがその気ならあたしはそれでいくよ。
だってしてもらっただけじゃああたしの気は済まないもん。
「いやいい」
「よくないです!!」
「だからいいって俺が」
「あなたはよくてもあたしはだめなんです!!」
「頑固な女だな」
「あなただって」
そこまで言ったところでどちらともなくくすっと笑い出す。
それは次第に大きくなっていって
あたしも彼もいつの間にか人も時間も気にせず笑っていた。
初めて見る、無愛想な人の笑顔は新鮮で。
少しだけうれしくなる。
「じゃあ今度弁当作ってきて」
「お弁当ですか?」
「そう、忙しくて料理したくても出来ないんだ」