年上王子様とのアリエナイ××②
「やっぱり?翔さん今景色見てるんだろうなぁって想ったんだ」
「俺たちやっぱり夫婦なんだな」
「なに、今更」
「相性もぴったりだし、互いの想っていることも分かる」
「相思相愛ってことだよね」
「あぁ、そしてたぶん体の相性も」
「もう!翔さんのエッチ!もう知らない!」
彼女を怒らせてしまうのはいつも俺の役割だけど
「切るほど怒るか?」
小さく笑いながら電話をたたむ。
「そうやって電話を切るようにし向けているんですね、
やっぱり社長にふさわしい男ですよ、翔様は」
「そういうつもりはない」
榊が立ち上がり、近づいてくる。
「いかがですか、会長が出された“案”は」
榊が言うのは俺が今手に持っている資料だ。
そしてその裏に隠れるようにしまわれている妙に分厚い封筒。