年上王子様とのアリエナイ××②
「柚子の進路ですか」
「はい、北原さんは柚子さんの進路をどのようにお考えなんですか?」
そういえばあたし翔さんに進路の事話してなかったな。
まぁ自分の将来の事だし特別話すような事もないと思うけど。
「僕は柚子の好きなようにすればいいと思いますが」
さすがあたしの旦那様。
理解してくれてる。
「そうですか。一応進路希望調査の方には就職と書かれてあるんですが」
先生の声に驚いた顔を見せる翔さん。
「そんなものがあったんですか?」
「えぇ、ご存知なかったですか?」
「えぇ。本人からは何も」
翔さんはそう言ってあたしの方に視線を向ける。
翔さん、その目とっても怖いよ・・
「僕は、柚子が進みたい道に進ませるのが保護者としての役割だと思ってます」
翔さんの言葉が胸にじーんとしみる。
「まぁ僕は彼女からして本当にそばにいていい人間か分かりませんからね、
基本は彼女の好きにしたらいいと思いますが」
せっかく感動したのに今度は突き放す。
翔さんはあたしに視線を合わせたままそらさない。
翔さん?