年上王子様とのアリエナイ××②
「北原さんって素敵ね..」
先生は嬉しそうにそう言ってた。
あたしの旦那様なのに。
「どういうことですか?」
シーンと静かな玄関。
最初に口を開いたのはあたし。
「別に?..敬語禁止だろ?」
「そんなの今は関係ないです!!あたしはなんで今ここに
翔さんがいるのかって聞いてるんです!」
せっかくの再会なのになんでこんなにいらいらしちゃうんだろ?
「そんなの、君のお母さんに頼まれたからに決まってるだろ?」
「そんなこと」
お母さんってば!!
じゃあお願いした人ってもしかして翔さんのこと?
「まぁこっちに用事もあったしね」
「あったしねって・・」
「柚子はさ俺に会いたくなかったわけ?」
「そんなの」
じりじりと翔さんがあたしに近づいてくる。
逃げ場のないあたしの背中に感じるのはは冷たい壁の感触だけ。
「どうなわけ?会いたくなかった?」