年上王子様とのアリエナイ××②
「大人げないな、俺も」
クスっと小さく笑うと手が離れて反対を向く。
「俺は君の人生を貰ったようなものなのに。だから君の未来の事を、俺達の事を君の口から聞く権利も義務もあるのに。二人の事だから知りたいなんて
..そう思ってたのは俺だけだったんだな」
翔さん..
「明日は早いから」
その声が寂しそうで悲しそうで
「翔さん」
思わず後ろから抱きしめた。
あぁ、あたしって本当に馬鹿だ。
忙しいとか
そんなの理由にならない。
翔さんはいつだってあたしのことを考えて
あたし達の未来の事を考えていてくれるのに。
あたしってば結局は自分の事ばかり。
「あたしは翔さんが好き、翔さんだけが好きなの」
「柚子?」
「進路の事も相談しないでごめんなさい。さっきも・・あの家庭訪問の時だって
すごくモヤモヤしてイライラして、やきもちなんか焼いちゃって。」
・・あたしなに恥ずかしいこと言ってるんだろう?
でも聞いて欲しい。
あたしの素直な気持ちを。
「それだけ翔さんが好きなの。もう離れられないんだから」
「柚子・・」
翔さんがゆっくりこちらを振り向きあたしを抱きしめる。
「進路の事も、もうちゃんと話す。だからお願い、許して」