年上王子様とのアリエナイ××②
恥ずかしすぎて顔を上げられなくて
翔さんの胸に顔を埋める。
伝わってくるいとおしい人の胸の音。
どくんどくんどくん
その音がまるで音楽のように
あたしの気持ちを落ち着かせてくれる。
「参ったな、そんな言葉聞いたら許さないわけにいかないじゃん」
小さく笑う翔さん。
「翔さん」
つられてあたしも笑い出す。
「進路希望調査。君は就職希望なんだな」
う・・突然出された話題につい言葉が詰まる。
その話題にはあまりふれて欲しくないな、
「だってなりたいものがあるわけじゃないし、それに大学に行くお金なんて・・」
「金の事なら問題ないだろ?」
「だって・・いくら旦那さんでも自分の進路にまでお金を」
「君は本当に・・だから俺にバカって言われるんだよ」
「な!」
「さっきも言ったろ?俺は君の人生をもらったようなものなんだから」