年上王子様とのアリエナイ××②


相変わらず冷たい口調。

だから怖いってば!!


「柚子、俺はお前を奪いにきた」


・・・はい?

「あの中村さ」

そこまで口にするとスッと翔さんの腕が伸びてあたしの言葉を止める。

翔さん?

「ライバル宣言ってことか」

余裕たっぷりの表情で言う翔さん。

「ライバルって事はあんたもか?」



「残念ながらこの子の気持ちは俺のところにある。もう離れられないくらいにね」



その言葉・・昨日のあたしの言葉じゃない!

思い出すだけで恥ずかしくなって下を向く。



「今はな、でも離れてれば分からない」

「中村さん」

「たとえ俺たち二人が夫婦でも?」



翔さんの言葉に一瞬驚いてあたしを見る。

その瞳が質問されているような気がしてこくんと頷く。


だけど


「宣言するよ。俺がお前達を引き裂いてやる」


はっきりと中村さんがそう言い切った。



なんだかイヤな予感がする。


あたし達離れても

絶対に大丈夫、だよ・・ね?




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