信じること、信じられること。
約束
あの頃の約束は果たせないまま
君は何処かに行ってしまったね


毎日遊んだ公園
秘密基地のある裏山
迷子になったあの道や


もう一度来よう
一緒に見ようと言った
花火のよく見える内緒の場所


全部、無くなってしまったよ
全部、消えてしまったよ


そこには整然と
几帳面に並んだ
人工的な建物ばかり


あの約束は
何処に行ってしまったんだろう?


ずいぶんと、探したよ
ずいぶんと、追いかけたよ


だけど


見つからなかった


ちょっと目を離した隙に
廻って
廻って
廻って
すべて変わってしまった


見慣れない町
だけど、
私たちの育った町


そうだった
あの時、私は


知っていたのに、知らないふりして
「またね」と、言ったんだっけ


もう逢えないだろう
二度と逢えなくなるだろうと知りながら
「またね」と、手を振ったんだっけ


君と繋いだ手を離して
無理して笑って
「またね」と


果たせるはずのない約束を
私から、したんだっけ


それなら、妥当だ
自業自得じゃないか


悲観的になって
何を悲しんでいるんだ


約束を諦めて何処かに置いてきたのは
確かに、自分じゃないか


諦めた
諦めたはずだったけど


私の置いてきた約束を拾って
後ろから追いかけてきてくれる君の姿を
勝手に描いて、勝手に期待してた


私も、変わらなきゃ


あの日の約束は、あの日のまま
何処か忘れたあの場所に、置いていこう


忘れはしないよ


君は今、何処で何をしていますか?


また日が経って
いつか逢う日が来たなら


あの日と変わらない笑顔で
笑ってね


果たせなかった
果たせなくなった約束の変わりに
「好きだったよ」って
伝えたいから
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