メリー何とかの掛け声と共に【短編コメディ】



なるほどそういうことか。

頷きながら田中井がリストの中から稔を探し出す。

あった。【菊池 稔 10歳】

しかし奇跡はいつまでも続かなかった。

プレゼントの内容を確認した田中井が動きを止める。


「どうした?」


黒須が異変に気が付きリストを覗きこむ。

そして間もなく黒須も稔の欄を見つける。

【菊地 稔 10歳 :幸せを下さい】


…幸せって…


「どうしたの?早くプレゼント頂戴。

それとも用意できなかったのかしら?」


意地悪く口端を吊り上げる稔。

その笑顔をみた田中井は後に語ったという。

「あの笑顔は佐丹さんより恐ろしかった。」と。





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