メリー何とかの掛け声と共に【短編コメディ】



~稔目線~


私の家に変なおじさんがきた。

来たというよりはよじ登ってきた。壁を。

物音がするからお父さんとお母さんが帰って来たと思ったのに窓を開けたら顔がボコボコになってるおじさんがいた。最悪。


とりあえず事情を聞くために家に上げると頭に角を生やしたおじさんまで現れた。

絶対この人たち変。

警察に連絡しなきゃ。あとはお父さんとお母さんにも連絡しなきゃって考えてたら角のおじさんが名刺を出して説明しだした。


ふーん…この人たちサンタとトナカイなんだ。

最初は全然信じなかったけど悪い人たちじゃなさそうだしちょっと信じてみよう。

だからプレゼント頂戴って子供としては当たり前のことを言ってみた。

なのに黒須っておじさんに諭された…。ちぇ…。


仕方ないからPS3で許すことにした。

お父さんに頼んでみたけど買えなかったらしいし。

この人たちなら何とかしてくれるかも。

本当はPS3じゃなくて【あっち】が良かったけど仕方ない。


サンタクロースとはいえもしかしたら約束を忘れるかもしれないって事で人質として近所の実君のプレゼントを預かった。

実君と近所で名前が似てて良かった。お陰で面白い経験ができたんだもん。


あ、でも…

あの人たちが約束忘れたら私が実君にプレゼントあげなきゃならないのかな?

私ガンダモなんていらないし…





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