メリー何とかの掛け声と共に【短編コメディ】
田中井はその金色の鍵を受け取ると、エンジンを切り代わりにその鍵を差し込んだ。
「兄ちゃん。俺達ちょっと休憩するからよ、ちょっと付き合ってくれるか?」
川島の返事を待たず奇妙な感覚が襲う。
車体がふわりと浮きあがったのだ。
しかし道行く者は誰も気がつかない。同じ車内にいる川島を除いては誰もその奇妙な車を瞳に映すことはできないのだから。
「やっぱ疲れてんなぁ…。俺たちの車が空飛んでるように見えるぞ。
こりゃ早急に休まないと仕事に支障きたすな。」
だな。
黒須の一言に同意し、田中井はアクセルを踏んだ。