メリー何とかの掛け声と共に【短編コメディ】
~川島目線~
「…おっさん、本当にありがとう。俺、頑張るよ。」
トナカイのおっさんから貰ったスーツを着て彼女の所へ向かう。
白い息を吐きながら待ってるのを見て駆け足になる。
「ゴメン、お待たせ!」
こっちを見てやわらかい笑顔になるのを見て思わず俺も笑顔が零れる。
こんな風に見てるだけで笑顔になれるからずっと一緒にいたいと思えるんだ。
どこに行こうか?
頬を赤らめながら彼女が尋ねる。
今…言った方がいいよな。
「…あのさ。話があるんだけど…。」
話があるといったものの言葉につまる。
指輪があればサッと出してもう少し歯切れよく進められるのかもしれないけど、生憎今の俺にはそんな物はないから。
なんとか言葉だけで上手く伝えなきゃな。