やくざと執事と私【クリスマススペシャル】
直接、俺に掛けるのは、恥ずかしいからといって、いつも、女性は、俺に龍一の電話番号聞いて来るんだよな。
そこは、さすがに俺。
恥ずかしがる女性にさっと、俺の電話番号も一緒に紙に書いて渡す。
「龍一、俺に伝言は?」
まったく、龍一も人が悪い。
伝言があるなら、早く教えてくれればいいのに。
しかし、龍一からは、「ありませんよ。」だった。
そんな俺の肩をポチが、「仲間ですね。」とうれしそうに叩いて行った。
意味がわからない。
まさか、俺が人間のくずの代表たるポチと同類?
あるはずがない。
まあ、まだ、クリスマス・イブまでは、時間がある。
きっと、誘いの電話が掛かってくるはずさ。