やくざと執事と私【クリスマススペシャル】
・・・・それにしても、もうクリスマス・イブの前日だというのに、いまだに誘いの電話が一人もかかってこない。
・・・・まさか・・・・・・・そうか、そうなのか・・・・・・俺としたことが・・・・・・迂闊だった。
俺から掛けてあげないと、恥ずかしくて掛けて来れるわけないだろ。
馬鹿!俺の馬鹿!!大和最大のミステイク!!!
すかさず、Club華の美華に電話を掛けた。
「あっ、俺、大和だけど?」
「えっ、今、忙しいの?」
「えっ、話があるなら、お店に来てくれ?」
「今から?えっ?営業時間中に来てくれって?・・・・・・・・。」
切られてしまった。
・・・・きっと恥ずかしがってるのだろう・・・・・きっと、そうさ・・・・そうに決まってる・・・・。
俺は、一抹の不安にかられ、龍一の元へと走る。
「ねぇ~、龍一。ちょっと聞きたいんだけど?」
電話中の龍一に話しかけたが、めんどくさそうな表情で睨みつけられた。
こういう時、話しつづけると、殴られる。
俺は、すでに何度も経験して、学習している。
だから、龍一の前で電話が終わるまで、静かにして待つ。