新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
私の不安を察したようにリュウが右手を伸ばし、私の手を握ってきた。
「大丈夫、心配は要らないさ」
彼はニコリと笑ってから続けた。
「対決する相手が、君の旦那から恐竜に変わるだけのことでしょ?」
なんでもないことのように言うリュウの口元には、柔らかな微笑みが浮かんでいる。
「う、うん……」
私は頷きながらも、近くに恐竜が居やしないかと、辺りをキョロキョロ見回した。
「じゃあとりあえず、身の安全が確保できそうな場所を探そう」
「そ、そうだね……」
恐竜に食べられてしまったら、今度こそ終わりだ。
「さあ行こう」
リュウが更に強い力で私の手を握った。不思議なことに彼の温もりを意識した途端、不安が跡形もなく消えていく。