新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
『必要不可欠なアイテムの在りかが解らないなんて……』
心配そうにため息をつくシン。
この男は俺の親友であり、原口龍太郎研究所で席を同じくする、善きライバルでもある。
『リュウ。お前が廃墟の塵と化す瞬間には、立ち会いたくないんだが』
「これさえ有ればそんな事にはならないさ。しっかり成果は上げて帰るから、シン君はそこで指を咥えて待ってなさい」
俺がいつものように冗談めかしで返すと、レシーバーから漏れてくるシンの声が真剣さを増した。
『リュウ。慎重にやれ。今回はこれまでの調査とは違うんだぞ』
「そんなことはわかってる」
下手を打てば命に関わるということも。
『正直、お前がこの任務に志願するとは思わなかったんだ』
「お前が企画したプロジェクトだろ? こんなこと、他の誰にやらせるつもりだ」
莫大な費用のかかるパラレルワールドの研究は、企業からのバックアップなしでは成り立たない。
我々に取っては不本意な要求でも、研究所としては出来る限りスポンサーの意向に忠実でなければならない。