新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「おぅい、リュウ。今日はもうフケようぜ」
中二の春、クラス替えで仲良くなった、オレンジ色の憎いヤツ加瀬純一郎。
「おお、そうだな純一郎。ダリィよな」
その誘いに二つ返事で賛成する俺も、授業をエスケープする気で満々だった。
日々その威力を増してきた太陽の光が、防火用に水を張ったままのプールにキラキラと反射し、教室の中で鬼ごっこをしている。
給食前の四時間目が教師の都合で変更。なんと体育になってしまったことに嫌気が差して、純一郎が俺にサボろうと持ち掛けてきた。
それも当然と言えば当然だ。一番腹が減る時間だけど、俺らのアイドル和奏先生の授業だから我慢して耐え忍ぼうと気合いを入れてたのに。
生活指導の大山の授業、しかももうすぐ行われる長距離テストの練習に、学校の周りをぐーるぐるしなきゃいけないなんて。
少しでも気を抜いてダラダラ走ろう物なら、奴はいつも肩にからげているあの竹刀を、壁に立たせた俺たちの耳元に打ち込んで、半日は耳の「キーン」が取れなくなる。そんな体罰紛いの小賢しい苛めに耐えなければいけないなんて。
まっぴらゴメンだっての!