新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「仕方ない。麺つゆの水割りをオンザロックで行こう。あれ? オンザロックはストレートで飲むんだったか? まあいいや」
氷で冷えたグラスの麺つゆに、蛇口から直接水を注いで薄め、
「暗い未来へ乾杯」
なんて独りごちてチビチビと麺つゆを飲む。
将来の希望が何も感じられなかった俺は、こんな風に、怠惰に任せた生活を送っていた。
「しかし何にも面白いテレビが無いな」
チャンネルを切り替えながら文句を言う。既に3周以上、全チャンネルを巡っていた。
───アホらし───
リモコンを放り出した俺は、某国の運営する『学業の為の支援的な内容を放映しているチャンネル』に留まった画面を、ただなんとなく、馬鹿みたいに口を開けて眺めていた。
───物理か……。そういや小学生の時は俺、理科が一番好きだったっけな───
髪の毛の量がやたら多く、白衣を着て、如何にも博士然とした男性が、学生達を前にして柔和な笑みを浮かべていた。