新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
───なんだかコントに出てくるハカセみたいだな───
振り向いた時にはすっかり鼻が赤くなっている。俺はその男性を見て吹き出した。
───ん? UFO?
UFOって言ってなかったか?───
可笑しさで聞き逃す所だったが、彼は確かにそう言った。当時はUFOや宇宙人が流行っていて、俺も良く『空想科学雑誌』なんかを買っていた。
興味がある話題に、ググッと体が引き寄せられる。しかし。
───UFOが作れるわけ無いじゃん───
俺はすぐそう思い直し、少しガッカリした。
『原口ハカセ。出来ました』
学生が嬉々として差し出したのは、なんのこともない4個のアルミ箔で作られた輪っか。
見ように依ってはどうにかあのアダムスキー型円盤の着陸球に見えなくもない。
───ちゃんちゃらオカシイな。真剣になって損した───
その時である。
『スイッチー……オーン!』
少々耳に付く、進行役のお姉さんの合図と共に、一斉に各グループの机にあるテレビの電源が入れられた。