新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
俺は大きく息を吸い込んで、力の限り笛を吹いた。
すると辺り一面の影達が一斉に悲鳴を上げて霧となり、姿を消した。
「やはりエコーロケーション(反響定位)の超音波だったか!」
コウモリは障害物や捕食対象を、自ら出す超音波の反響に依って把握する。
この超音波こそが影の弱点だったのだ。
「凄い! これは使えるぞ」
しかし影はその後、一定時間が経過するとまた霧のように漂い出し、段々と色を濃くして、5分もすれば元通り再生する事が解っている。
つまり超音波に依ってしても、影を抹殺する事は出来ない。
だが、逃げるための時間稼ぎには十分だ。