新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
6. リ ュ ウ 's side
_ 献身  ̄ k e n s h i n
彼女の向かった方角には、逃げ延びた人達のコミュニティが有った筈だ。
女の足ではまだ遠くには行っていないと思われたが、時間はだいぶ経っている。
俺は近道を辿って、彼女の先回りをするよう試みた。
途中何度も躓きそうになりながらも、漸く見通しの効く場所へ出る。
───見付けた、彼女だ───
彼女は何度も後ろを振り返っては2、3歩あるき、立ち止まってはまた振り返っている。
その視線の先には、ここからは見えないが、コミュニティが有る筈だ。
───奴らに拒否られたんだろうな───
自分たちが生きていくのに精一杯なので、コミュニティの連中はヨソ者に冷たい。
「可哀想に」
……ってそんな悠長に構えてはいられない。
───影だ!───
1体の影が彼女の近くに居た野犬に襲い掛かった。