新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
彼は私の前にマグカップを起き、自分はスープ用のソーサーに煎茶を注いだ。
そう言えば、夕食の食器も不揃いだった。
つまり全部ひとり分しかないらしい。
「フウカさん。平行世界、パラレルワールドってわかる?」
「パラレルワールド?」
意味がわからなかった。
「簡単に言えば『あの時、こうしてればよかった』とか『こっちを選択してたらどうなったんだろう』って思うことあるだろ?」
「あります」
即答していた。
何度も『夫と結婚しなければよかった』と思ったから。
「その分岐点から発生する違った世界が、自分の生活している世界と平行して、無数に存在しているんだ」