新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
「そんな、作り話みたいな……」
「いや、現実だ。同じ時間軸上には無限の世界がある。その時間が進んでいくのと平行に、各々の世界の時も進む」
「それで平行世界……」
夫と結婚しなかった私も、どこかに存在しているのだろうか?
そう考えるとわけもなく嬉しい。そして、その自分がうらやましい。
けれど……今の私が想像も出来ない境遇にある、どこかの自分のことを、そんなに易々と認められる訳がない。
「簡単には理解出来ないだろうが、本当なんだ。そしてここはある時代に、争いを選択した世界の結末だ」
訝し気な私の眼差しに気付いたのか、リュウは新たな事実を突き付ける。
「戦争、やっぱり……でも……」
それが本当だとしたら、何故私がこんな所にいるのだろうか。