新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
指示された通り、少し青み掛かった粉末の全量を、食事と一緒に出したワインに混ぜた。
「頭痛がするので、先に休ませて下さい」と頼んで、私はクローゼットに潜り込んだ。
そのまま寝てしまったのは昨日のこと。
そうして……。
───確かに夫は消えたらしい。
住んでいた街とともに。
いや、ひょっとしたら、街どころか、東京都とか、日本とかいう規模のものと共に───
歩けば歩くほど、これが夢ではないという実感が増してくる。
恐ろしいほどの解放感と、不思議な孤独感。
───自分の身の上に、
起こったことを知りたい───
私は手がかりを求め、さまよい続けた。