新パラレルワールド参加作品=The shadows=天才浅海ユウと凡才月星大豆の奇跡的コラボ[企画]
2. リ ュ ウ 's side
_ 緊張  ̄ k i n c h y o u
俺は網で出来たタープの中から、明るく照らし出された広い地下フロアを見渡した。
ひっそりと静まり返ったそこに、何一つ動くものは無い。
ここに拠点を構えたのは正解だった。
巨大なアウトレットモール跡地の一画。
この地下はいつも夜のように暗い。
『影』が闇に紛れてしまうので、人々は暗い場所には寄り付かない。
電気が無い筈のこの世界でこんな風に煌々と明かりを灯していても、彼らは恐らく俺の存在にすら気付いてはいないだろう。
そのライトが一瞬明るさを増した。
心なしか、今朝から電圧が不安定になっているようだが、変換器に異常は見られない。
「そろそろ交換しないとな」
そう言いながら、トラベラーズバッグを開けてみて青ざめた。