ストロベリー革命
 天花は今、寮の規則を破って、ゆかりの部屋に転がりこんでいるのだ。

 それはそれは何度も頭を下げて。

「あなた早く自分の部屋へお戻りになったら?」

「ちょっとぐらいいいでしょー?」

 ゆかりの部屋は皆より大きいのに、お嬢様体質が原因で迷惑がられる。

「何があったのか存じませんけど、ここに逃げていては何も解決しませんわよ」

 天花はゆかりの部屋にあるクッションに顔を埋めた。

 直のいる部屋に帰りたくないワケじゃない。

“一人にして”という言葉が頭に響いているのだ。

「あたしって逃げてるの?」

「私の部屋に住みついているのですから、逃げているのではなくて?」

「そうかなぁー? だって直が一人にしてって言ったんだもん」

「じゃあ何ですの!? あなたは私が授業をサボれと言ったらその通りになさるの?」

 天花は黙った。いくら言葉を探しても見つからない。

「お友達でしたら仲直り出来るように頑張ったらどうかしら」

「……うん。頑張るっ」

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