ストロベリー革命
「そんな事より!! 俺が男だって誰にも言っちゃダメだからねっ!! バレたら天花退学決定ー」

 天花が退学になろうと自分には関係ないので、直は口笛を吹きながら他人事のように言う。

「ええーっ!! わかった、あたし秘密守るよ! そのかわり……、直も園芸部に入部してー!」

「なにそれ!? この可愛い可愛い俺様に土いじりさせる気っ!? 絶対イ・ヤ」

 べーっと舌を出して天花のお願いを却下した。

 しかしここで黙っている田舎娘ではない。なんせ園芸部存続がかかっているのだ。

「ふーん、だったら直が男だってバラしちゃおー。あたしは退学になっても田舎に出戻るからいいもんー」

「……わかったよ。入部すればいいんでしょ!! 卑怯だぞ田舎者!!」

「わあーい!! 三年生は今月で引退らしいから、部員は二人だけどいいよねー?」

 直の動きが止まる。

 二人であの畑と花壇を手入れしなければならないのか、自分は土なんか触った事がないのに、直の頭は真っ白になった。

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