ストロベリー革命
　仕方ないのでいつもより早いが、起きる事にする。

　時計を見ると、すでに七時を回っており、そろそろ食堂が開く時間だ。

　食堂は部活の朝練がある部員達のために、七時過ぎ頃から開いている。

　もう一度ベッドに戻る気にもなれないので、直は部屋を出る前にウィッグを装着して、食堂へ向かった。

　正直あと一時間は夢の中にいたかった。

（天花めっ！　俺の睡眠時間を返せえっ!!）

　こんな事を思っていても、学園で直は女の子で通っているため、絶対口には出さない。

　心の中に留めておく。

「あらっ!?　その後ろ姿は直様ではありませんか!!」

　お嬢様らしくお上品にパンをちぎって食べていた時、頭からドリルが何本も突き出ている女の子に声をかけられた。

　ドリルと言えばゆかりである。ゆかりしかいない。

「奇遇ですわね。私、なんだか今日は早く目が覚めてしまったんですの」

（……俺は天花のせいで目が覚めました）

　ゆかりは憧れている直の隣の席を陣取った。

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表紙・目次

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