ストロベリー革命
 ゆかりは直の手をがっちりと握って、“絶対なるのよ、ならないなんて言わせないわ”と目で訴えている。

 そんな事されたら断ろうにも断れないのが人間だ。

「ど、どうぞよろしく……」

 直は顔を引きつらせながら、精一杯の笑顔を向けた。

「そ、それじゃあ私は失礼するわっ」

 長い時間ゆかりと一緒にいたら、疲れるのが目に見えているので、直は静かに食堂を出て行く。

(あの典型的なお嬢様凄い……。天花あんなのと仲良くしてんの!?)

 本物の女のパワーは凄いと、ただただ驚く直であった。



 さて、一騒動終えてこれから自分はどこへ行こうかと、新たな問題が発生した。

 時刻は只今七時半。授業が始まるのは約一時間後。

 もう制服に着替えているし、二度寝も出来ない。という事は、部屋に帰っても何もする事がないのだ。

 すると直の足はどこかへ向かって動き出す。

(き、気が向いたから様子を見に行くだけ! それだけっ!!)

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