ストロベリー革命
 なんだか子供を連れている気分になった。

 自分の周りを大量の人達が行き来する。

 それに慣れていない天花は、人が近くを通るたびにびっくりしていた。

「ちょっと……、何やってんの……?」

「迷子にならないようにくっついてるのー」

 天花は直のワンピースの裾を引っ張って、後ろをピッタリとくっついている。

「人前なんだから放せー!!」

「どうしてー? 周りから見たら女の子通しなのにー」

 キョトンとしている天花とは対称的に、直の顔は今にも沸騰しそうなくらい真っ赤である。

「それでも放せバカー!!」

「……ごめんなさーい」

 切符の買い方がわからない天花のために、直が代わりに買って、二人は電車に乗り込んだ。

 電車の中で二人の間に会話はない。

 どちらからも話そうとせず、気まずい空気が流れている。

 天花は初めての電車だというのに、はしゃがない。

 いつもなら一人でも喋っているが、今日は気持ち悪いくらい静かだ。

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