ストロベリー革命
 電車を降りると、近くにあるホームセンターまで二人は歩き出す。

 といっても、天花はどこに何があるのか全然わからないので、ずっと付いて行く。

(なんでこんなに建物が大きいんだろー? この中で皆何やってんだろー?)

 素朴な疑問が尽きる事はない。

 天花がビルを見上げてつっ立っていると、

「天花早くっ!! 置いてくからね」

 直は三十メートルくらい先を行っており、かなり差がひらいていた。

「あっ、待ってー」



 ホームセンターに着くとすぐ、直がホウキとちり取りを見つけ出し、レジへ持って行く。

 天花は初めて入ったホームセンターの中を、一人で走り回っている。

 いろいろな商品を物珍しそうに、見たり触ったりして、ホームセンターを満喫していた。

(こんなお店でよく楽しめるよねー……。やっぱり田舎者は違うな)

「ねぇっ、これも買って」

 コスモスの種を片手に、天花は会計中の直の元へやって来た。

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