ストロベリー革命
 怜華は花壇を去った。

「……あたし変わり者で有名なのー?」

 自分の噂は運が良いのか悪いのか耳に入って来ないもので、天花は一度もこの噂を聞いた事がなかった。

「どこが変わってんだろー? 皆と一緒だよー」

 朝の水やりを終えた天花は、教室へ急いだ。

 花を綺麗だと言ってくれた女の子、怜華の事がなんだか気になる。

 初めて花を誉めてくれた人だし、それに彼女はとても遠くを見ていた気がするから。

(悩み事でもあるのかなー?)



「ねえっ!! 藤堂怜華って知ってる!?」

 天花は教室に入るとすぐにゆかりの席へ行き、机の上をバンッと叩いた。

「何事ですの!? 本当に朝から騒がしい方ですわね」

 朝の静かな教室で読書をしていたゆかりは、机を叩かれた音で完全に機嫌を損ねた。

 いつも以上に眉毛がつり上がっている。

「おーっとごめんなさいっ!! ゆかりは藤堂怜華を知ってますかー?」

「最初からそのくらいの声で言えばいいんですの。知ってますけど何か?」

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