ストロベリー革命
「えっ、皆部屋に吊るしてないの!? あたしお風呂にタオル巻いて入った事ないよっ」

 お風呂にタオルを巻いて入るという事は、この学園では常識なのだ。

 皆で使っている大浴場で、むやみに裸を曝してはならない、と教えられている。

 編入して一ヶ月経つが、天花はその教えを知らなかった。

「それに、あたし藤堂怜華は絶対いい人だと思うっ!!」

「私が? どうして?」

「だってあたしの育ててるお花を綺麗って言ってくれたからっ」

 天花は怜華の机の上に顔を乗っけて肘をつき、白い歯を出して笑った。

「あのねぇー、あたし今日はおにぎり作って来たのー。一緒に食べましょー」

 花柄の弁当袋を取り出して、机の上に広げる。

 弁当箱の中には、本当におにぎりしかなくて、おかずは一品もなかった。

 そのかわり、うさぎの形に切った林檎が、四切れほど入っていた。

「あっ、ちょっと待っててねー」

 天花は爪楊枝にうさぎの林檎を刺してどこかへ向かう。

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