ストロベリー革命
 窓際の席でずっと外を眺めている女の子の背後に近づいた。

 気付かれないように足音をたてない。

 背後に回るとそーっと肩を二回叩く。

 その子が振り返った瞬間、

「あーん、してー」

 天花は口の中に林檎を入れてあげた。

「ん゙ーっ!?」

「ふふふっ。美味しいー?」

 その女の子の正体は直でした。

「何やってんのっ!?」

 普段はこんな喋り方をしないが、本当にびっくりしたため素が出ている。

 バレないように声は聞こえるか聞こえないかぐらいの大きさだ。

 寮以外で天花に会うのは珍しい。

 というか、今まで天花が三組の教室に来た事がないので、どうしてこんな所にいるのかわからない。

 口に入れられた林檎を一応食べた。

「うさちゃんだよー。美味しいでしょー」

「り、林檎の味しかしないもんっ!!」

「あたしが切ったから美味しいよーだっ」

 天花はベーッと舌を出して、怜華の元へ帰って行った。

(天花のバカっ……。なんでこんな事平気で出来るんだろう……)

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